【葉山 加地邸】建築のエッセンス 〜大谷石 前編〜

建築家・遠藤新が設計した、葉山 加地邸(国の登録有形文化財)。
書籍「加地邸をひらく – 継承をめざして」から抜粋し、建築のエッセンスを紹介していきます。

加地邸コラム 〜 大谷石 前編 〜

加地邸の特徴である「プレイリースタイル」は、大谷石をふんだんに使って表現されています。プレイリースタイルとは、遠藤新の師匠 フランク・ロイド・ライトが考案した建築様式。屋根を低く抑え、横方向(地平線)への伸びやかな直線を強調し、大地との一体感を感じさせる建築スタイルです。

宇都宮で採掘される大谷石は、割れ目が少なく加工しやすい石材。独特の風合いがあり、旧帝国ホテルに使われたことで全国的に有名になりました。現在でも人気のある高級石材です。
加地邸では正門とアプローチ、玄関脇のピロティ、テラス、柱と壁、室内の中心に据えられた暖炉など、主要な箇所にたくさん使われています。

使う場所ごとに石の積み方、仕上げを変えるなど様々な工夫が施されています。屋外では表面を荒削りに、屋内は滑らかでフラットな仕上げの大谷石を使い、大きい石と小さい石をランダムに組み合わせながらも、全体として統一感が感じられる積み方がされています。細部までのこだわりで、緊張感と気品に満ちた空間に仕上げられています。

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加地邸 正門からエントランスをのぞむ

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加地邸 庭から建物をのぞむ

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加地邸 テラスの柱と床(石の仕上げ違い)、柱の石積みにも特徴あり

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加地邸 サロンの柱と暖炉

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加地邸 玉突室(現 バーラウンジ)の暖炉、手前は意匠を合わせて新しく誂えたテーブル

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加地邸 玉突室(現:バーラウンジ)の暖炉、美しい装飾が施されている

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加地邸 サロン(大谷石のディテール)

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加地邸 サロン(大谷石のディテール)机の隅を切り欠き、柱と机がセットでデザインされている

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加地邸 サンルーム(大谷石のディテール)

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加地邸 書斎の暖炉ディテールと、食堂の暖炉ディテール(加地邸をひらく – 継承をめざして より)

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加地邸 バルコニーテラス 美しく存在感のある大谷石の柱

建物・建具(窓や扉)・家具・照明など統一してデザインする「全一」という加地邸のコンセプトを、リレーコラムで紹介します。

参考文献
*加地邸をひらく – 継承をめざして(監修:加地邸保存の会、発行:一般社団法人 住宅遺産トラスト)
*葉山加地邸 The archives of HAYAMA KACHI-TEI(オーナー作成)

加地邸コラム 目次
1. 建築のエッセンス編
2. 照明編
3. 大谷石 前編
4. 大谷石 後編
5. ポートレート撮影編


<ご紹介した貸別荘>
葉山 加地邸
住所:神奈川県三浦郡葉山町
利用日数:1泊〜
最大定員:6名

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